animal IT innovation

動物の福祉に ITを活用しよう

動物愛護の現状

所有者がわかるようにする仕組み

 動物は、もし迷子になっても、自分の名前や住所を誰かに伝えることができません。そんな時のために、現在では動物の身元を示すためのツールとして「マイクロチップ(※12) 」が用いられています。マイクロチップは、平成17年(2005年) に改正された動物愛護管理法に基づき、平成18年(2006年)「動物の所有者明示措置に係る環境省の告示(※13) (※14) 」にて、『ペットについてはマイクロチップ、入れ墨、脚環の他、首輪、名札も可』としながら、非常災害時を想定し、より耐久性の高い識別器具であるマイクロチップ、脚環等の着用が求められています。その結果、平成23年(2011年)の統計資料(※15)によると、犬猫の所有明示措置の実施率は36~58%となっています。この内 8%程度がマイクロチップによるものです。

 マイクロチップは、電子タグを利用して所有者を見つける方法です。電子タグは応用範囲が広く、マイクロチップの他、脚環、首輪、名札にも入れることができます。ハルモニアでは、これらをまとめて「電子タグ」と呼ぶことにします。

 保護された動物の所有者がわかれば、元いた場所に帰ることができます。さらに、保護された動物から所有者がすぐにわかるようであれば、違反行為を抑止する大きな効果も期待できるでしょう。

 電子タグには動物に付けられた、いわゆる「マイナンバー」のような IDが記録されています。電子タグには容量の制限があるため、最小限度のデータであるIDナンバーのみを記録しています。所有者などのデータはデータセンターで記録しているため、他のデータを無制限に追加できます。今後、社会の仕組みが変わっていったとしても、システムをつくり変えていくだけで、いくらでも時代に追いつけるのです。今、提起されている問題を整理し、今後の利用法をしっかりと考えていけば、電子タグを使った動物の管理は、さまざまな問題に対処できる可能性があるのです。これは是非、活用すべきものだと考えます。