animal IT innovation

動物の福祉に ITを活用しよう

これからの動物愛護 ~ハルモニアが目指す未来~

法獣医学の普及

【動物愛護管理法違反者に正当な処罰を課す】

 警察が動物愛護管理法違反が疑われる動物を保護したら、獣医師に診察を依頼し、獣医師は被害動物を診て診断書を書きます。これが犯罪行為の証拠となりますが、この場合の診断書は通常の診断書とは異なります。被害動物がそのような状態になるまでに受けた犯罪行為を再構築し合理的な説明を行う必要があるのです。

 この獣医学上の技術・知見を法獣医学と言います。法獣医学に対応した診断書でなければ「○○に外傷があります」という報告書にすぎず、動物が受けた被害については何もわかりません。

 ところが、現在、日本の大学獣医学部に法獣医学の講座はありません。従って法獣医師という専門職は存在しません。その結果、犯罪行為を明らかにするのに必要十分な診断書は書かれていないと考えられます。そこで、ハルモニアでは、今後、法獣医学を普及させ、法獣医学を学んだ獣医師を増やしていくための活動を、積極的に行っていきたいと考えております。

 法獣医師が捜査に必ず関わるようになれば、犯罪の証拠として「この外傷は、人為的に外部から力を加えた結果生じたものです」というような、犯罪を合理的に説明する診断書がそろい、起訴率はアップするでしょう。診断書で動物が受けた被害が正確に説明されれば、その残虐性も明らかとなるに違いありません。そうすることで、より適切な刑罰が下るようになるかもしれません。

 法で定められた罰則がいくら重くても、起訴され厳罰に処されなければ、抑止効果は期待できません。言葉を発することができない動物が受けた被害を明らかにする法獣医学の確立は、実は喫緊の課題だと考えます。