animal IT innovation

動物の福祉に ITを活用しよう

これからの動物愛護 ~ハルモニアが目指す未来~

飼い主と獣医師

 動物は生産者から直接、飼い主の手に渡ることもありますが、その場合、生産者を直近の所有者として、前述したような手順で登録を行います。

 飼い主が変わることもあるでしょう。その場合、登録データの所有者の履歴の最後に「飼い主が変わった」というデータを追加します。

 飼い主は電子タグリーダーを所有しておりませんので、所有者が変わるときは獣医師が関わる必要があります。獣医師は日常的に動物に接するため、電子タグのデータ管理に重要な役割を果たします。

 獣医師はまず診察する動物の電子タグを確認します。もし電子タグを着用していなければ、その場で電子タグを着用させます。その時は生産者及び流通業者が不明のまま飼い主を登録するようにします。電子タグを着用した時点からのデータで登録することを許可するのです。電子タグを着用していても、もしデータが登録されていなければ、その時に登録できるデータから登録を始めます。

 電子タグを着用していない動物や、データの途切れた動物が流通の過程でも見つかる可能性がありますが、その動物の救済は獣医師が行います。電子タグに不備があるからといって動物の行き場がなくなることは避けなければなりません。

 そのような動物がみつかった時点で、電子タグを着用し、データを登録することによって、その動物は救済されるのです。その経緯もデータとして記録することで、所有者不明の動物を減らすことができるでしょう。

 これまで「所有者」と記載してまいりましたが、取引が委託である場合などは、所有権が移動しないケースもあります。そういった場合に備え、「所有者」ではなく、「管理責任者」あるいは「飼養責任者」とする方が良いかもしれません。制度設計の際、考慮すべき点だと考えております。